2013.2.28

 鼻水・クシャミ、充血眼に目薬。マスクとティッシュが手放せない季節になりました。そして、近年は空咳。前段はスギ花粉、そして後段は間違いなくPM2.5が原因です。冬から春に移る日本の四季では一番いい季節のはずが、私(たち)にとって最も苦しい時期になってしまった今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。。。

 いま、中国のPM2.5が問題になっています。PM、懐かしいなあ。。。私がまだengineerの端くれだった頃、日々これと格闘していた時期がありました。PM=Particulate Matter(パティキュテイト・マター)ってね、粒子状物質ってやつです。大分前どこかの都知事がペットボトルに入れた黒い粉を振りまいて「ディーゼル車は都内に入れん」って記者会見していたでしょ。その黒いすすのちっちゃい奴です。

 このPM、内(外)燃機関で化石燃料を燃やすと大なり小なり発生するのです。厄介なことに同じ有害排ガスのNOx(窒素酸化物)やHC(炭化水素)、CO (一酸化炭素)などとはtrade-off(二律背反)の関係にあるのです。つまり高温高圧で完全燃焼させてればPMをほぼゼロに出来るのですが、そうなるとNOxなどの発生を抑えられない。ガソリンエンジンは三元触媒といものでどうにか克服できましたが、ディーゼルは困難を極めたわけです。今はDPF(Diesel particulate filter)、つまり外付けの濾過器と触媒で後処理する方法が主流ですが、当時は燃焼改善でひたすらチャレンジしていたわけです。

 で、20年以上前の東京。ある大学でディーゼルスモークをひたすら吸いながらある実験をやっていた時期、たまたま関東地方はスギ花粉の大発生した年でした。その時に初めてこの空咳と後に花粉症と呼ばれる症状を発症したわけです。確か平成2年のこの季節でした。。。

 今年に入り空咳が止まらない。周りは「早く病院行ったら」って心配してくれますが、私にはその原因は分かっていました。そうPM(Particulate Matter)なのです。こいつが大陸より押し寄せ私の気管支を冒しているのです。おかげで花粉症の症状も例年になく酷い気がします。花粉症という病名が世に知れ出した頃、「このPMが悪さをして加速度的にその症状を悪化させる」といった論文が発表されたのですが、どういうわけかあまり取り上げられなかったと記憶しています。PMは間違いなく花粉症の症状悪化促進因子、誘発因子でしょう。

 このPM問題、公害・健康問題から外交問題に発展しそうな気配もありますが、叡智を結集して乗り切っていきたいものですね。

2013年2月28日

事務局長 杉本宗之

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連合愛媛連合愛媛

連合は全国約700万人、その地方組織47の1つ連合愛媛は、約4万人の仲間の組織です。加盟産業別労働組合は29組織です。

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